こんばんは。
息子と一緒に通っている療育で保護者講座がありました。テーマは『言語』です。
『言語』つまり、言葉の発達の事ですが、当たり前に言葉を話しているのにも様々な発達段階を経ているのだなぁととても勉強になりました。今回は言葉の発達について書いて行きたいと思います。
ことばの役割
①考える道具としての「ことば」
例:「お肉と人参があるからカレーを作ろう」
②行動調整としての「ことば」
例:「お昼食べ過ぎたから夜は控えめにしよう」
③伝達の道具としての「ことば」
例:「〇〇ちゃんお昼はカレーだよ」
この「ことば」3つのうち言葉を口に出すのは③の伝達道具として使う場合です。
(①②は独り言として口に出す場合もある)
子供が言葉を話すまでには段階がある
⑴言葉をインプットする
親からの言葉掛け、大人の会話、テレビなどで聞いた言葉を頭の中に入れる。
⑵言葉を伝えたいという気持ちが出てくる
赤ちゃんのときは泣くのが伝える手段だったが言葉で伝えたいと思うようになる。
⑶言葉を声に出して相手が分かるように伝える
まずは単語→二語文→三語文とどんどん分かりやすく伝える事が出来るようになり「ことば」を使って人とのコミュニケーションがとれるようになる。
コミュニケーションが成立する為には
①伝えたい内容があること
②伝えたい意思があること
③伝える為の手段があること
☆
発達障害児のコミュニケーション障害
上に書いたように、伝えたい内容、意思があっても上手く伝えられない発達障害児は多いと思います。本人は伝えているつもりなのに、親からすると意味が分からなかったり、また逆に親は正しく伝えているつもりなのに子どもの受け取り方が違っていたり。以前の記事にも上手く伝える難しさを書いているので読んでみてください。
発達障害児で「ことば」で伝えるのが苦手な場合、ただ上手く話せないだけではありません。
・言葉をインプット出来ない子
・インプットは出来るけどアウトプットまでに時間がかかる子
・インプットで頭の中は言葉がいっぱいなのに口に出して伝えられない子
・口に出して伝えたいけど、言葉の使い方が適切ではない子
このように、言葉やコミュニケーション1つについても特性により色々なのです。
そして、特に息子のようにアスペルガーの傾向が強い子は☆の画像に書いてある聞き手として「話し手の意図を推論する」が苦手な場合が多いです。
伝える手段は言葉だけではない
言葉に遅れがある場合や上手く伝えわらない子どもの場合は、他のコミュニケーション手段を併用すると良いそうです。
・表情、視線の動き
・身振り手振り、指差し
・絵記号、イラストカード、写真
このように伝える手段はたくさんあります。
視覚優位の場合、言葉+イラストカードや、ジェスチャーを使うと有効です。
例→椅子に座っているイラストカード(写真)を見せながら「椅子に座ろうね」声かけする
息子の『ことば』の状態
療育では月に1回言語の先生と面談があり、テストなどをして言葉の発達具合を調べたり、適切な言葉掛けの方法を教えてもらったりします。現在3歳5ヶ月の息子は自閉症スペクトラムで知的な遅れは今のところ無いのですが、言葉の遅れはあります。だいたい半年遅れくらいだそうで個人差の範囲との事です。
しかしアスペルガーの特性か、遅延エコラリアが頻繁にあったり、話し言葉が不自然だったりします。
話し言葉が不自然なのは、遅延エコラリアが関連してくるのですが、質問の答え方が覚えたセリフそのままだったりします。覚えたセリフを日常に応用して使うのです。
不自然さはあるけれど、言葉でのやり取りはどんどん増えてきています。
自分の気持ちも少しずつ言葉で親に伝えるようになりました。
しかし、親以外に伝えるのはまだ出来ないようです。例えばおもちゃをお友達に取られたとき「取らないで」と咄嗟に声に出せないのです。
声に出せないだけで、取られて嫌だという気持ちはもちろんありますから、泣いて意思表示をします。
上手くコミュニケーションが取れないと、親も歯痒い思いをしますが、一番困るのは子ども自身です。様々なコミュニケーション手段を併用して、その子に合った伝達手段を見つけてあげたいですね。
以上、『言語』についてでした。