こんにちは。
自閉症スペクトラムの3歳の息子の特性の1つに『苦手な事が苦手』というものがあります。苦手な事は「出来ないからしない、しないから出来ない」のです。
今回はこの「出来ないからしない、しないから出来ない」について書いていきます。
『苦手な事が苦手』とは
読んで文字通りなんですが、慣れない事や初めての事への苦手意識が強くトライしようとすらしません。何事にも警戒が強いのも要因の1つになっていると思います。
トライしなければいつまでも出来ないまま
例えば、息子はスプーンを使ってご飯を食べるのが苦手なのですが、普通に考えて練習しなければ出来ないままです。でもどんなに励ましても練習を物凄く嫌がり「出来ないから食べない!」となります。何故トライしようとすらしないのか?
本人にはトライしない理由がある
慣れない事や初めての事は出来ないと分かっているからトライしません。スプーンについても初めての時(1歳頃)から上手く出来ないままです。何故できないと分かっていたらしないのか?「ちょっとやってみよう!とは思わないのか?」と言いたくなりますが、息子本人にはちゃんと理由があります。それは『失敗したくない』からです。
堂々めぐりで出来ないまま
失敗したくないからしないって・・・
「出来ないからしない」「しないから出来ない」、その上「失敗したくない」これでは大人から見て普通に考えると堂々めぐりです。しかしこれは、我がままではなく特性です。さらに忘れてはならないもう1つの特性である『自信がない事が苦手』というもの。この特性も同時に絡み合ってくるので非常に厄介です。
う~ん、なんだか物凄くプライドが高くて扱いにくい人みたいですよね。
このまま成長すると考えられること
義務教育が始まりお勉強が始まると、分かる事は得意な事としてトライするけど、一回つまずいてしまうと「もう絶対したくない!しない!」となりそうな気がします。実際に自閉症スペクトラム(特にアスペルガーが強い場合)の子どもで、こういうタイプの小学生は多いと聞きます。前記事に書いた(こちら↓)
0か100かにも関わってきて、取り返しのつかない事になるかもしれません。
失敗したくない気持ちが強い
上記に書いている事に戻りますが、やはり『苦手な事が苦手』なのは、失敗を恐れる気持ちが強いのも要因の1つです。さらに自分がした事に対して、1度でも「違うよ」とか「そうじゃないよ」と否定されると傷つくようです。どんなに優しく言ってもです。言い方の問題ではなく、否定自体に傷つくのです。
我が家では「違うよ」は禁句です。
解決方法は?
「違うよ」と教えたいときは「こうするんだよ」と提案して導きます。
もう1つは、少しずつ出来る事を増やしていって少しずつ自信をつけてあげることです。つまりスモールステップの積み重ねです。そしてここで非常に大切なのが、自信を付けると同時に、失敗の積み重ねも必要になります。これは『失敗しても大丈夫』という経験を積んでいくという事です。
例えば、コップのお茶を上手く飲めずにこぼしたとします。(コップも苦手)「もう!こぼさないでちゃんと飲んでよ」と言いたくなりますが、これだとこぼした失敗を責めらたので、苦手を克服出来ませんし、コップ飲みに対してますます苦手意識が強くなります。(それでなくてもストローで飲みたがります)息子のようなタイプの子には「こぼれたね、どうしたらいいかな?」→ ティッシュで一緒に拭きます。すると、こぼした失敗を責められておらず、さらに「ティッシュで自分で拭けたから失敗しても大丈夫なんだ」という自信も付きます。これが『自信を付ける事』と『失敗しても大丈夫』のスモールステップの一例です。
まとめ
「出来ないからしない、しないから出来ない」を放ったらかしにしていると、そのうち「しないから出来ない、しないままでも何とかなる」になってしまうかもしれません。小さいうちからスモールステップを積み重ねる事で「出来なくてもやってみよう」というチャレンジ精神を身につけてあげる事が出来たら素晴らしいと思います。発達障害児に限らず子どもは大人が思っている以上に繊細です。たった1度の否定で傷ついてしまう事もあります。失敗しても大丈夫だよときちんとフォローしてあげられる親でいたいですね。そうすれば苦手を克服でき、だんだんと本人の大きな自信に繋がるのではと思います。
以上、「苦手な事が苦手」についてでした。
お読みいただきありがとうございます。