3歳息子は自閉症スペクトラムです。
- 見通しが立たないと不安を感じる
- 切り替えが苦手
という特性があります。発達障害児でなくても子どもは好きな事をしているときは次の行動になかなか移れないでしょうが、それが極めて激しいのが息子です。今はずいぶん落ち着きましたが、一時期はこの特性ゆえに療育に行きたくないと泣く日々が続いたのです。
見通しが立たないと不安
息子とは毎日寝る前に「明日は○○に行くよ」とか「明日は○○ちゃんと遊ぶよ」など説明しています。(昨日今日明日の意味がまだ分からないようなのでどこまで理解しているかは不明です)寝る前の楽しい会話の1つです。
全ての行動に対して、分かりやすく予定を伝え、その為に必要な準備などの段取りを細かく説明するとスムーズに動けます。
例えば買い物に行くまで
お昼から買い物に行くとします。
前の晩に「明日はお昼ゴハンを食べたら買い物に行くよ」と伝えます。
当日朝ごはんを食べながら「1番ママはお掃除をします。2番お洗濯を干します。3番、お片づけをします。4番、着替えます。5番、お買い物に出発します。」と伝えます。
※息子は数字が好きなので、番号を言いながら伝えると分かりやすいみたいです。
そうすると、掃除している間や片付けをしている間は大人しく一人遊びをしながら待ってくれるし、着替えに取り掛かる時もスムーズです。
何にも伝えずいきなり着替えさせようとすると(不安か警戒か?)グズリます。
このように先の行動に見通しを立ててあげると息子は安心感があるようです。
プレッシャーになる場合も
何事にも見通しを立ててあげるとスムーズにいくので、例えば公園に出かけたときも、時計を見せながら「○時になったら帰ろうね!」と伝えました。すると5分おきくらいに時間を確認するようになり、「まだ遊んでもいい?」「まだ時間大丈夫?」などと聞いてきて、遊ぶ事を楽しめない時期がありました。終わりが来るのを気にしてしまい楽しめないようなのです。聞かれるたびに私は「まだ遊んでも良いよ」「まだ大丈夫だよ」と伝え続けました。家庭ではまぁまぁ何とかなっても、このようにプレッシャーを感じて楽しめない事件が去年の夏頃、療育で起こりました。
集団生活で求められる切り替え
息子は切り替えが苦手で、療育に通い始めた時にも困っている事として先生に伝えるほどでした。切り替えというのは、気持ちの切り替えの事で、気持ちが切り替わらず引きずるため行動も伴わないのです。
療育では、遊んでいる時に「そろそろお片付けしますよ〜」と号令がかかると「ぎゃーーー」と奇声をあげて抵抗していました。
※療育の1日の流れはこちらへ ↓
家ではある程度合わせてあげられますが、集団生活ではそうもいかないので、先生は息子が上手く切り替えられるように様々な対応をしてくれました。
例えば、朝1日の流れを説明したり、次にする事の絵カードを見せたりなどです。しかしどれも上手くいかず息子だけ指示通りに動けない、なんとか次の活動に移れてもグズグズ言い続け、出来る事も出来ない状態が続きました。強引におもちゃを片付け、グズグズ言っていても無理やり次の活動に参加する形で、息子は嫌な思いをしたでしょう。奇声を上げても自分に合わせてもらえない為(ある程度は先生も付き合ってくれますが)、この事がプレッシャーになるのか療育に通い始めて3ヶ月目くらいに、療育に行きたくないと言い出しました。
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療育に行きたくない
通い始めて3ヶ月目頃、朝起きて療育に行く準備をしていると「行きたくない」と泣くのです。電話で先生に相談したところ「おそらく切り替えを求められる事がプレッシャーになっているんだろう」との事でした。
私もオロオロしてしまいました。
息子の為に良かれと思って通っている療育なのにこんなに嫌がるなら療育なんか辞めた方がいいのか?と悩みました。
療育先の心理の先生に相談すると「楽しくしていても終わりが来るのが分かるようになって、見通しを立てすぎてもキツイ時期なのかもしれませんね」と言われました。
オーマイガ!!
見通しが立たないと不安だから見通しを立ててあげても、切り替えが苦手ゆえに今度はそれがプレッシャーになるのです。
療育では時間ごとに活動内容が決まっていて、毎回同じ時間割なので、すごく見通しが立つのですが、それはそれでプレッシャーになるとは・・・
なんという扱いにくさ!!
終わりが来るのが悲しいから楽しめないなんて、3歳なのに 哀 愁 た だ よ い す ぎ ぃぃぃ!
”永 遠 な ん て ど こ に も な い”
みたいな?
この時期は結局、約3週間ほど療育を休みました。
超絶デリケート認定
久しぶりの療育で先生が「息子くんは思った以上にデリケートなのだと分かりました。もっと繊細に対応するべきでした。ごめんなさいね。」と謝られました。
うーん、デリケートなのは分かっていたけど、ここまでだとは私も初めて気付いたので、大丈夫っす。
こんな息子を集団生活で指示通りに動くように教えるのは難しかったです。
解決策
心理の先生や担任の先生と話し合い、絵カードなどで視覚に訴えても無理、ちやほやと機嫌をとるのも無理(ぎゃーぎゃーパニック時は耳に入らない)、叱るのなんかは以ての外なので、とにかく息子の心の成長を待とうという、どうしようもない作戦になりました。(要は解決策なし)
◇見通しを立てる
(「言う通りにしてね」や「がんばろう」などプレッシャーになる事は絶対に言わないこと)
↓
◇切り替え
(奇声を上げてもグズっても自分から次に進むまで付き合い続ける)
療育ではこれを先生と協力して徹底しました。基本的に受け身が苦手なので自分から(自発的に)動こうとするまで待つというのがミソですね。
家では見通しを立てるとスムーズなのに集団生活ではそうもいかないみたいです。
複雑な生態なんですね。
その結果
現在では慣れたのか?抵抗を諦めたのか?療育でもすごくスムーズに指示通りに動けるようになりました!
数ヶ月で見事に成長しました!
しかし4月から環境が変わるとまた1からやり直しでしょう、おそらく。とほほ。
※4月からは年少さんで障害児通園施設に入園します。詳しくはこちらの記事へ ↓
すごく生きづらい
集団生活での協調性や指示に従う事はすごく大切なことだけど、こんな小さなうちから自閉症スペクトラムの子にそれを求めるのって酷じゃない?と。
社会の中で生きていくにはもちろんルールがあって、それをみんなが守りながら過ごすから過ごしやすい社会であるのだけれど。なんというか。発達障害である息子にとっては果たして過ごしやすい社会なんてあるのか?と。
上手く書けないけど、結局は右にナラエの環境の中で生きていくのは、息子にとってはすごく困難なことかもしれないなぁ。
たった3歳の集団生活にも当たり前にルールがあって、それすらも強いプレッシャーを感じ、大きな不安を感じるのです。大きくなるにつれ集団生活でのルールは複雑化して、さらに目に見えない空気まで読みながら生きることを求められるのですよね。
まとめ
気持ちや行動の切り替えが苦手な子に、見通しを立てすぎるとプレッシャーになり、だからといって見通しが立たないのも不安を感じるという複雑なお話でした。
解決策は成長待つのみ!
成長待つのみという解決策しかない事って多いですよね。これは発達障害児も定型発達児も同じですが。やはり忍耐力を極めることが育児を極めることなのかもしれないですね。
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