■2018年8月1日更新
3歳息子は自閉症スペクトラムで、4月から障害児通園施設の年少さんになりました。
※障害児通園施設についてはこちらへ↓
この園では『ポーテージプログラム』という幼児教育プログラムを実施しています。初めて聞いた方も多いと思います。私も知りませんでした。
ポーテージプログラムとは
■正式名称は『新版ポーテージ早期教育プログラム』と言います。
■日本では1983年に「ポーテージ乳幼児教育プログラム」として出版されましたが、2005年に現在の正式名称に改定されています。
■アメリカ合衆国ウィスコンシン州ポーテージ市の教育行政援助機関で開発され、現在約90か国で翻訳され実践されています。
■プログラムの対象年齢は0歳から6歳までです。
■1人1人の子どもの発達に応じたアプローチをするための個別プログラムです。
■主に家庭で日常生活の中で指導していきます。
■指導方法は、応用行動分析(スモールステップに分ける・褒めるなど)という心理学の原理を用いており、目標や結果を正確に記録していく必要があります。
■発達に偏りがある(自閉症スペクトラムの息子のような)子どもに用いると、出来る事、出来ない事、苦手な事が分かりやすくなります。
お子さんは今、もうどんなことができていますか?そして、まだどんなことがむずかしいのでしょうか?ポーテージプログラムは、子どもさんの発達支援して子どもを育てる親・家族支援のプログラムです。家庭生活や遊びの中でどんなことをめざし、どんなふうに教えていけばよいのか具体的に(計画をたて)相談員がアドバイスします。また、子育てについての困りりごとについてもABA(応用行動分析)の考え方に基づき解決を目指します。一人ひとりちがう子どもたちの歩みを親・家族に寄り添い応援していきます。認定NPO法人日本ポーテージ協会HOME
実物写真で簡単に説明
写真をみてください。
こういう冊子があって、この中には全部で576項目の行動目標が発達の順番にかいてあります。(年齢段階別)
このそれぞれの項目に
- 出来るものには「〇」
- 出来たり出来なかったりは「△」
- 出来ないものには「-」
- 経験したことがなかったりで出来るのか分からないものには「?」
をつけていきます。
細かい項目で正確に子どもの発達状態を知ることができます。
ポーテージプログラムの6領域
1.乳児期の発達
2.社会性
3.言語
4.身辺自立
5.認知
6.運動
以上、6つの大きな項目に分かれています。
1.乳児期の発達
生後4ヶ月くらいまでの赤ちゃんの行動に関する内容です。
例 → 目の前で動くものを目で追う
2.社会性
人との相互交渉における適切な行動や、集団への適応に関する内容です。
例 → (年齢段階1-2歳)本を読んでもらいたい時に大人に本を渡す
3.言語
指示や物語を理解する能力に関する内容と、自ら話す能力に関する内容に分けられています。
例 → (年齢段階1-2歳)自分以外の家族の呼び名を言う
4.身辺自立
食事・服の着脱・排泄等に関する内容です。
例 → (年齢段階2-3歳)フォークで刺して食べる
5.認知
物事の照合や比較や記憶の能力に関する内容です。
例 → (年齢段階1-2歳)絵や写真の中から言われたものを指す
6.運動
粗大運動(身体全体を使って動く)と微細運動(目と手を同時に使うなどの細かい動き)に関する内容です。
例 → (年齢段階1-2歳)子ども用の椅子に一人で座る
※粗大運動と微細運動についてはこちらの記事にも詳しく書いています↓
以上の例のように年齢段階ごとに項目があるので、〇・△・-・?をつけていきます。
ちょ・・576個もある・・大変・・・
ポーテージプログラムの目的
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息子が通う園では、このポーテージプログラムは、何が出来て何が苦手なのか?を知るために使われます。息子のように自閉症スペクトラムで発達の凹凸が大きい場合、出来ないものや苦手なものがこのプログラムではっきりと分かりやすく出るでしょう。
この沢山の項目の中で、何が出来ないかを知ることで、それを克服するためにどうアプローチすれば良いかを知ることが目的です。先生と話し合いながら、1人1人に合わせたアプローチ方法を考えます。
気をつけたいこと
例えば現在2歳だとして年齢段階2-3歳の項目で出来ないことがあったとします。だからといって「うちの子なんで出来ないの?他の子はみんな出来るんじゃないの?」と思い詰めてはいけません。あくまでも個人差や性格や個性で、得意な事と苦手なことがあって当然です。
例えば身辺自立の排泄に関していうと、何歳からトイレトレーニングを始めるかによっても大きな違いが当然出ます。なので、「あれ?これが出来ない!早く出来るようにしなければ!!」などど焦って厳しく指導するのは間違いです。
また、幼児教室などでこのポーテージプログラムを取り入れていて、きっちりこの項目通りに出来るように厳しく指導する先生もいるそうです。でもそれは果たして子どもの為になるのかよく考えてみてください。
息子の通っている園では、あくまでもこのプログラムは出来る事と出来ない事を判別する為に使います。このような使い方をするには適したプログラムだと個人的には感じました。
とにかく記入が大変
上にも書きましたが、ポーテージプログラムは6つの項目に分かれていて、全部で576項目もの質問があります。記入で「-」と「?」が15個以上続く場合、それ以降は出来ないものとして飛ばして良いのですが、息子は3歳なので、年齢段階4-5歳・5-6歳って出来ないだろうと思って飛ばしていると、ふと5-6歳の項目で出来る事があったりします。
例えば「認知」の項目の「(年齢段階5-6歳)1~100まで物を数える」が出来ます。「-」「?」が続くから飛ばそうにも、ふと出来る項目が出てくるのです。
発達の凹凸が大きいので、「〇」が続くかと思えばそうでもなく、「-」が続くかと思えばそうでもないので、1つ1つの項目をしっかり見ていく必要があります。
プログラムの説明時に先生が言っていたのですが、定型発達(障害ではない)の場合、一定数「〇」が続き、「△」が増えてきて、「-」が続く→それ以降は記入しないというパターンが多いそうです。このプログラムは、発達していくであろう順に書かれているからです。
まとめ
以上『ポーテージプログラム』についてでした。このプログラムを記入していくと、改めて凹凸に気付かされます。出来る事はどんどん伸ばし、「-」や「?」の部分は先生と話し合いながらアプローチしていこうと思います。
それにしても、このように子ども1人1人に合わせた指導をしてくれる園に入れて有り難いです。
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子どもにイライラして大きい声出して怒るときって、だいたい本当は旦那にイライラしてる時なんだな。
— ちゃんたむ♪発達障害児育児 (@chantam9) July 30, 2018
息子ごめんよ。